新テニスの王子様 手塚国光vs幸村精市 感想
世紀の一戦を満喫したのでネタバレ込みで感想を書いていく。
はじめに、私は幸村寄りの視点で読んでいた。
手塚の負ける姿は見たくないけれど、それ以上に「天衣無縫」を持つ相手だからこそ、幸村には負けて欲しくないと思っていた。
手塚の対戦相手
試合前から「誰が手塚と戦うのか?」ということに読者からの注目が集まっていて、且つ許斐先生もミスリードを図ってたように思う。
筆頭になるのは跡部、不二。次いで越前、あって真田へのリベンジあたりかなーと考えていた。
ただ個人的には不二はもういいかなという気がしていた。(旧テニ全国決勝の仁王戦、新テニの手塚離脱で決着がついたと思ってる)
越前vs手塚も観たい気はしていたけど、この二人は最後に越前が手塚に再戦を挑むところで終わりみたいなのもアリだ。後はフランス戦で大活躍した上に決勝ではリョーガとの大一番がありそうなので、ここは他の人に譲るのが無難かなと予想していた。
ので、やはり最有力は跡部だと思ってた。王道と言えば王道すぎるけど、跡部と手塚の公式戦でのリターンマッチ見たい!
という予想をしてたけどまあ全部スカされましたね!
切原赤也
手塚とは関係無いんだけど、どうしても触れたいので書く。
ここに来て切原へのフィーチャーがあることが驚くと同時に嬉しくてたまらない。
旧テニでは「越前のライバル」的な登場をしたにもかかわらず、いつの間にかフェードアウトしてしまった。(まあ越前が急速に強くなりすぎたのもあると思うけど)
片足スプリットステップ、無我の境地、チームのルーキーポジション…みたいな共通項を持ってて立海メンバーの中では初登場が早く、リョーマとの因縁が多い!
でも野良試合で越前が目覚めたあたりから何かズレたのか?
特に関東決勝で切原は不二に負け、リョーマは真田に勝った。
シングルスで不二に勝つというのは旧テニでは偉業だと思うが(白石だけ?)、かたや越前は真田に普通に実力で勝ってしまったのでだいぶ差を感じる。
まあいろいろ書いたけど、当初はリョーマのライバルの立ち位置だったのに落ちぶれた感ある切原が、こうして作中で堂々とくすぶっている姿を描かれるのは納得感があったし、嬉しかった。
しかもこうもハッキリと「天衣無縫持ちのリョーマに勝てない」ことを描写されてるので期待せずにはいられない。
ジャンプSQ読みながら、切原が黙ったままなわけがないよな、こいつはもっとできる奴だ、と嬉しくなったのを覚えている。
旧テニ時代からずっと見たかったものが見れるのかもしれない。シングルスがいいけど、ダブルスっぽい…。
既に面識のあるビスマルクと、矜持の光に目覚めてるジークフリートと戦いそうなので、切原も誰かと組んでダブルスかな。誰と組むかというと真田とか越前とか見たいですがね。二人の登板間隔考えると無さそうな気はしている。
幸村のテニスへの対抗策
さらっと真田がなんか新設定持ち出してて笑った。
手塚は天衣無縫持ちだからそもそも幸村のテニス破れたはずだけど。
ねえ、テニス楽しんでる?
間違いなくこの試合で一番熱かった。
「いよいよ来たか『天衣無縫』…」
「ねぇ…テニス楽しんでる?」
テニスを心から楽しんでる越前だから天衣無縫になれたわけで、じゃあ心から素直に楽しめない幸村は天衣無縫になれないのでそれに勝てないの?と思っていたのでここは息を飲んだ。
あとはこの後リョーマが「1%でも可能性があるなら幸村さんは諦めないでしょ!」とか言ってて、リョーマから幸村へのセリフは全部熱かった。
無言の声援
最初にも書いた通り、この試合全編通して幸村を応援していたんだけどこのシーンでそういうのを吹っ飛ばされてしまった。
昔、跡部と戦った時には「俺に勝っといて負けんな」「俺は負けない」っていうやり取りがあってそのオマージュだと思うんだけど、その時は手塚負けてましたね(ディスってないよ)
越前は日本代表だし声に出すのはやめとくか…みたいな感じだったのかな。越前ってそんなこと考えるか?
大石はともかくリョーマまで敵を応援するのはどうなんだ…と思うのだが、とにかくそういうの抜きに最高の演出だった。
零式
零式サーブの時点でやりすぎだと思ってたのにロブも零式とかお前強すぎない?
(派手な技が増えてる中で未だに「跳ねない」というシンプルな強さがテニプリ界でも強い描写なのは好き)
終わり
ドイツ戦はどれも熱い試合なんだけど、この試合は新テニ屈指の名勝負だった。
めちゃめちゃ攻防が激しく入れ替わってて、手塚の心情もかつてないほど描写されてたし(歌とか)、過去をふっきる幸村も良かった…。
マジで名勝負だった。
(五感剥奪を仕掛けてその度に矜持の光で五感を取り戻すとかいう解説がされてるのは笑ったけど)
開始前から「名勝負描きますよ~」ってハードル上げといて実際に名勝負に仕上げてくる許斐先生は凄い。
新テニは神。